赤松 智志さん

アキナイで活性化

 私は、所属するゼミの教授に勧められ、割と軽い気持ちで協力隊に入ることになりました。その時は大学4年の時だったので、富士吉田に住みながら週1回学校に通っていましたね。本当は富士吉田以外の地域に行くことも考えたんですが、この通えるという距離が大きな魅力でした。本気でいろんなことに取り組んでいこうとしても、移動距離が長ければその間に空白の時間ができてしまいます。その点を考えると、富士吉田市は私にとって参加しやすい環境だったといえるかもしれません。

 富士吉田に来てからは「アキナイ」というプロジェクトを立ち上げました。「アキナイ」は、最近増えてきた空き家や空き店舗に手を加えて、積極的に空き家を使っていこうという取り組みです。この活動がどんどん増えていけば、地域としての活性化にも繋がるし、こういう文化自体を作っていきたいと考えていました。実際、リトルロボットなんかは、この企画によって波及した効果の1つだと思います。そして、私自身も空き家を改修して、宿泊施設「SARUYA」をオープンさせました。ただ、「SARUYA」を作った一番の理由は、まだ富士吉田に残っていろんな分野にチャレンジしてみたい。そしてそのための場所を確保するためでもあります。

 さっきの話と関連しますが「アキナイ」は協力隊のプロジェクトです。そして、私は今季で協力隊は終わりになるので、このプロジェクトは一応終わりになります。しかし「アキナイ」という名前は消えてしまいますが、この文化や意識がもっと広がればいいなと思っています。もしかすると、自分自身「SARUYA」として活動するかもしれませんが。

 私は今26歳ですが、20代の設計はある程度は決めています。とりあえず、20代は、この町で色々なことにチャレンジする成長と実践のトライアルアンドエラーの時期。30代は、溜めた経験値を活かして、実家がある千葉県、もしくはどこか元気のない地域で何かお手伝いできればいいなって考えています。そして、ひばりが丘高校へのアドバイスですが、生徒一人ひとりが何をしたいのかをよく考えて、活動をしてくことが大事だと思います。本気でやる気があれば、一人でも結果を残すことはできますから。自分自身でよく考えて、やりたいと思ったことを一生懸命頑張って下さい。