粟井 晶子さん

環境と地域を支援する

 当財団は「富士山麓の環境保全」「地域振興」を目的に設立した財団で、平成24年の4月に設立されました。以前から、私の父である粟井英朗は「会社でこの地域の皆様の大切な水(資源)を使わせてもらっている以上、環境の保全と地域の活性に貢献しなければならない」と考えていました。そして、その思いを実現する人間として私がこの財団を運営することとなりました。私はそれまで他県にいましたが、「父の思いを叶えたい」「いろんな方に喜んでもらいたい」という想いから、一念発起してこちらに来ることにしました。

 水資源の保全ということで「森林の整備」「環境プログラムの実施」「環境保全活動をしている団体への助成活動」を柱として活動しています。森林の整備については、富士山の山麓40ヘクタールの森を針葉樹から広葉樹へ樹種を変更し、これまで以上に水質の浄化機能を高めようとしています。環境プログラムについては、稲作体験プログラムなどを実施し、田んぼがもたらす地下水への効果などについて学習する活動に力を入れています。そして、助成事業については、平成27年度は33の団体に活動助成をしています。ひばりが丘高校さんでもこちらのプログラムを利用して、フリーペーパーを製作していますよね。とても好評ですよ。

 私は、これまで環境保全についてあまり携わったことがなかったので、助成団体を支援しながらいろんなことを教えてもらっています。その分野で最先端の活動をしている方たちに同行させてもらいながら、まず自分が学んでいるという感じです。また、地域づくりについても、各団体から学ぶことは沢山あります。みなさん、地域のことについて本当によく考えていると思います。それぞれの団体が個別に「点」として活動しているのものを、それをつなげて「面」としての活動に発展すればいいかなと思っています。富士吉田市をよくするためには、環境保全だけではなく経済的にも成長していく必要があると思います。保全と活性はバランスが大事であって、どちらか一方だけでは駄目だと思います。

 財団の予算は、「富士の銘水」が得た利益が元になっています。そのお金を運用する私たちとしては、その方たちの努力によって得られたものを適切に使用する必要があります。ですので、ひばりが丘高校のフリーペーパーは、しっかりとした形になり誰もが分かる形で成果を残せているので、財団としてもうれしいですね。ひばりが丘高校への要望としては、若い高校生の考え方を具体的に知るような機会を設けてもらい、いろんな話をしてみたいですね。文化祭とかの発表を見せてもらうとかでもいいですし、元気な高校生の率直な意見を聞かせてほしいです。大変だとは思いますが、これからも頑張ってくださいね。