私が富士吉田に来たのは、１９年前です。たしか１９９６年だったと思います。そして、この店、マイケルズバーをオープンしたのも同じ年でした。オープンした理由は、なんとなくな流れです。あまり深く考えずにオープンしましたが、その当時地元の人たちが色々と協力をしてくれました。私はまだ日本のことがよくわかっていませんでしたが、本当によくしてくれました。だから、いつかこの店でみんなに恩返しをしたいと思うようになりましたね。

　店は少しずつ地元になじんでいきましたが、それにあわせて英語での情報発信にも力を入れました。その成果もあって、地元の人たちだけでなく、外国人もたくさん来てくれるようになりました。実は、この店の２階でホテルを営業しているのですが、そこも沢山の外国人が利用してくれるようになりました。しかし、私としては自分の店ではなく、周りの店（西裏商店街）に外国人観光客が流れてくれればいいと思っています。それは、この地域の人たちが私を支援してくれたように、私もみんなを支援したいと思ったからです。

　そこで、西裏の店をまとめたマップを作成しそれを宿泊客に渡すようにしました。自分で商店街を歩きながら、写真を撮影したオリジナルのものです。とはいっても、急に外国人が来たら戸惑う店もあるでしょうから、奥さんに協力してもらって各店のメニューを英語に訳してもらいました。ただ誘導するのではなく、その店で困らないようなケアもしています。

　私は、この「西裏」に育ててもらいました。この場所があったからこそ今の私があると思います。もちろん、この店もです。だから、私にとってこの西裏は家族なんです。だから、家族を大切にしたいし、これからも家族とともに歩んでいきたいと考えています。