齋藤 萌さん

地域おこし協力隊の紅一点

 私は、地域おこし協力隊であるとともに、みんなの貯金箱財団にも所属しています。主な仕事は広報と情報発信ですが、財団の動きはとてもわかりにくいので、それをわかりやすい形にして外部に発信しています。その活動の一環として「吉田ごはん」や「富士山じかん」などのプロジェクトも担当しています。さらに、各イベントの企画書を作成したり、団体間の調整をとったりなんかもしています。私が協力隊に入ったきっかけは赤松さんと同じです。大学4年の時に、卒業プロジェクトとして富士吉田市と関わり、その流れで協力隊に入らないかと誘われました。その時は、他に就職が決まっていましたが、なんとか親を説得して協力隊に入りました。

 実際活動が始まると、思っていた以上に難しいなあと思いました。例えば、地域からこれをやってほしいと言われる事と、自分達がこういう風にやりたいっていう事が意外とかけ離れていて、その隔たりをどうやって埋めるのか悩んだこともありました。その当時は、自分でどうしていいかわからず、右往左往していました。普通の会社なら、目指すべき方向がはっきり決まっていますが、地域においては、そんなことは決まっていないので、はっきりとした正解がないんですよね。だから、それを理解したうえでうまくつなぎ合わせていくことが自分たちの仕事なんだなって、あとでわかりました。それがわかるまでは苦労しましたね。

 富士吉田市は、県外の人からは河口湖や山中湖の間の通過点みたいな感じで、素通りされやすいので、ガイドブックに掲載されないような情報を発信したりしていました。さっきお話した「富士山じかん」という企画では、カードを使って情報を発信するとともに、スマートフォンのアプリを利用して情報を集めることができるようにしました。アプリの開発は、慶応大学と共同で行いました。

 今年で協力隊の仕事は終わりになりますが、今度は日本各地の特産品を紹介する会社に入社しますので、これまでの経験を活かして頑張っていきたいと思います。この街から離れることは寂しいことですが、これからの新しい出会いもありますので。それに、東京と富士吉田市は近いので、もしかすると週末に時間を見つけてちょこちょこ顔をだすかもしれません。うどん部さんも、これからもがんばって下さいね。