齊藤 智彦さん

みんなのやる気を応援

 私は2011年まで海外で仕事をしていて、日本に戻ってきたらどこかの街で地域活性化に一役買いたいなあって考えていました。そんな時に、富士吉田市からお話をいただき、「みんなの貯金箱財団(以降財団)」とか「地域おこし協力隊(以降協力隊)」の制度準備をすることになって、2013年にこっちに移住してきました。現在、活動する中で、まず、財団の存在意義をわかってもらうのに苦労しています。設立の目的は富士吉田地域の活性化としていますが、私たちがテーマに掲げているのは「やりたいことができる街にしたい」です。一人一人がやりたいことができるっていうのは、一番幸せなこと。それができる環境を整備していくのです。

 「やりたいことができる街にする」と言っても、やりたいことだけやっていくのはもちろん無理な話。おまけに今年は、「楽しいことしかしない」って宣言しちゃったけど、それはどうすれば楽しくなるかを工夫するってこと。だから事業自体はスピード感を持って進めています。この間うどん部さんに参加してもらったイベントも「大変だねー」って話もあったんだけど、どうしたら楽しくなるかを考えて、同時に利益を追求することで、目標を設定して、モチベーションをあげてった。楽しいことと利益をいかに結びつけるかっていうのが、僕らのテーマ。財団は会社っていう位置づけでもあるので、ある程度の利益の追求もしなければならないんです。

 うどん部の活動でも「やっぱり儲けなきゃ!」って話してるじゃないですか。そこをもっと追求してもいいのに。地域の高校と、産業が一緒にやりながら商品開発でもマーケティングでも、戦略を立ててやっていけばもっとうまい方法があるし、もっと成功体験できるんじゃないのかな。教育活動の一環だから、儲かった分は奨学金に使いますとか、そのお金の使いどころを公的なものにしておくことで許してもらおうよ。

 うどん部の皆さんも、こうやったら面白いんじゃないかってもっと自分たちで考えてやってみようよ。もっと生徒さんが前に出てきたほうが街の人は心開いてくれる感じがするし、私たちはそういう話が好きなんで、もっとコラボしても面白いのにな、って考えは膨らんでいくんですよ。もっと「こんなことができるんだ!」っていうのを学生さんにも体験してほしいし、そういう話があったら一緒にいろいろ考えますよ。私たちはよくわかんない財団なので、どういう風に絡めばいいのかなみたいに思われているっていうのが一番のネックなんですけど、地域の人たちに、財団と一緒にやれば何かできるかもって思ってもらえるといいなって思います。